ヒトiPS細胞株(253G1)を本製品のプロトコールに従いシングルセルにまで分散し、トリパンブルーで染色した。
ほとんどの細胞が生細胞であることを確認後、本培地にて細胞を播種し培養を行った。
Cellartis DEF-CS 500 Culture Systemを用いた培養では、単一細胞に分散した状態で継代可能であった。
上記の培養条件① ~ ④でヒトiPS細胞株(253G1)を5週間培養後、細胞を回収して未分化マーカーTRA1-60の発現をフローサイトメトリーにて解析した。
Cellartis DEF-CS 500 Culture Systemで培養した細胞は高い陽性率と発現強度を示した。
未分化状態での長期間の培養が可能
本製品を用いてヒトiPS細胞の継代を10回行った後、未分化能の状態が維持されていることを未分化マーカーOct-4とSSEA4に対する免疫染色で確認した。プレートコーティング剤はCorning Synthemax II-SC Substrate(Corning社, Cat. No. 3535)を使用
長期間継代後も多分化能を維持
本製品を用いてヒトiPS細胞の継代を10回行った後、三胚葉への分化能が維持されていることを各胚葉特異的抗体での免疫染色(中胚葉ではASMA、外胚葉ではβIII-tubulin、内胚葉ではSOX17、HNF4aを検出)で確認した。下図の核染色はDAPIを使用。培養時のプレートコーティング剤はCorning Synthemax II-SC Substrate(Corning社, Cat. No. 3535)を使用
ヒトiPS細胞の未分化マーカーの発現
ヒトiPS細胞株(201B7)を本製品で、3継代の培養を行った後(28日目)、未分化マーカーOct3/4の発現を免疫染色で解析した。プレートコーティング剤はiMatrix-511(製品コード 892011)を使用。
【未分化状態の確認】
Cellartis 3i mES/iPSC Culture Medium、または慣用培地で培養したマウスES細胞E14Tg2A株(左)とアルカリホスファターゼ染色画像(右)
Cellartis 3i mES/iPSC Culture Mediumで培養した細胞は、ムラのない染色像から均一な未分化細胞であることが分かる。 (弊社比較データ)
Cellartis 3i mES/iPSC Culture Mediumで培養したES細胞による高いキメラマウス作製率
ジーンターゲティングを目的として、Cellartis 3i mES/iPSC Culture Medium+LIFおよびA社培地+LIFで10継代培養したマウスES細胞(C57BL/6Nマウス由来)を8細胞期胚(CD1(ICR))にインジェクションし、翌日移植して生まれてくるマウス個体の毛色にてキメラ率を検証した。
その結果、Cellartis 3i mES/iPSC Culture Mediumを使用した場合、マウスは全てC57BL/6N由来の黒い毛色であり、キメラ率が良好であることが確認できた。
本データは、東京大学 国際高等研究所 ニューロインテリジェンス国際研究機構
鵜飼 英樹 先生よりご提供いただきました。
培養条件
ヒト骨髄、脂肪、臍帯マトリックス由来の3種のMSCのそれぞれについて、Cellartis MSC Xeno-Free Culture Medium(本培地)、および、A社Xeno-Free培地(A社XF培地)を用いて、コーティング剤 有(コート剤 有)/無(コート剤 無)の2条件で3週間(21日間)培養した。また、いずれのMSCも、4.0×104 cells/well(培地はそれぞれ2 ml、6-wellプレート使用)で培養を開始した。
*1 「コート剤 有」の場合は、ヒト血漿由来フィブロネクチン溶液を用いてコーティングした培養容器を使用した。
*2 A社Xeno-Free培地(コート剤 無)については、各MSCの培養容器への大幅な接着率低下が確認された時点で培養を中断した。