企業理念

遺伝子治療などの革新的なバイオ技術の開発を通じて、
人々の健康に貢献します

私たちは、ライフサイエンス分野の研究支援や遺伝子治療などの先端医療の社会実装化に向けた事業活動を通じて、人々が健康的な生活を楽しむことのできる社会づくりに取り組んでいます。

数字で見るタカラバイオ (2023年3月期)

抗原検査試薬をはじめとした新型コロナウイルス検査関連試薬が伸長し、前年比15.4%の増収となりました。

前年比では増収でしたが、人件費や研究開発費などに積極的に投資したため、販売費および一般管理費が増加し、前年比28.9%の減益となりました。

営業利益の減益に伴い、親会社株主に帰属する当期純利益も前年比19.2%の減益となったため、 ROEは前年比7.9ポイントのマイナスとなりました。

創薬基盤技術関連を中心に研究開発を行いました。

遺伝子・細胞プロセッシングセンターにおけるCDMO事業関連の施設整備を進めました。

国内に769人、海外7カ国に1024人が在籍し、海外従業員比率は57.1%です。また女性社員比率は46.6%です(タカラバイオ単体)。

ライフサイエンス研究・産業の変化とタカラバイオのあゆみ

国産初の遺伝子工学研究用

試薬・制限酵素を発売

■試薬事業の開始■

PCR法による遺伝子増幅システムの

国内独占販売権を獲得

遺伝子解析サービス本格化

タカラバイオ設立

寳酒造株式会社よりバイオ事業を承継し、

タカラバイオ株式会社を設立

日本初の体外遺伝子治療の企業治験を開始

■遺伝子医療事業の開始■

滋賀県草津市に遺伝子・細胞プロセッシングセンター竣工
■CDMO事業の開始■

遺伝子・細胞プロセッシングセンター2号棟稼働

1970~80年代

DNAの塩基配列を認識して切断する制限酵素や、 DNAやRNAを合成・分解・結合することができる修飾酵素が相次いで発見されました。PCR法も発明され、現在のバイオテクノロジーの基礎が確立しました。

 

1990年代

先進国を中心にバイオテクノロジーが普及し、遺伝子情報をもとに生命現象を理解し、応用開発を進める動きが盛んになりました。このような遺伝子研究の基礎情報とするため、ヒトの全遺伝情報を解読するヒトゲノム計画が進められました。

 

2000年代

ヒトゲノムに続き、生体分子の測定技術や情報処理技術が発展しました。タンパク質(プロテオーム)や転写物(トランスクリプトーム)、代謝物(メタボローム)など、生命の全体像を理解する「オミックス研究」が盛んになりました。ゲノム研究では次世代シーケンス技術の開発が進み、情報処理の発展と相まって、遺伝子情報の活用が盛んになりました。

 

2010年代

ゲノム編集技術、iPS細胞やES細胞などの幹細胞技術など、生命現象を巧みに利用する新しい技術が発見・開発され、ライフサイエンス研究に活用されるようになりました。また、これらの新技術を用いた医薬品や治療法などの開発が本格化しました。

 

2020年~現在

新型コロナウイルスによるパンデミックが発生し、PCR検査やmRNAワクチンなどバイオ技術の重要性が改めて認識されました。今後も、バイオ技術の実用化、産業分野への普及が加速していくと考えられます。

タカラバイオの目指す姿

ライフサイエンス産業のインフラを担う
グローバルプラットフォーマー

当社グループは、コア・コンピタンスである遺伝子工学・細胞工学関連技術をベースに、保有する独自技術を高度化させながら、その提供先を新しい市場・顧客へ拡大しています。当社グループは、ライフサイエンス産業のインフラを担うグローバルプラットフォーマーを目指すことを事業成長の基本戦略とし、今後の飛躍的成長を図っていきます。

 

 

 

用語解説

アカデミア
大学など主に学術分野を中心に研究する機関のこと。


遺伝子工学
生物の遺伝子を改変する技術や方法のこと。

遺伝子を改変することで、生物の性質や機能を研究したり、治療薬や検査法をなどに応用されている。


細胞工学
細胞培養や細胞融合、細胞への遺伝子導入などの技術を使い、細胞の性質を変えることによって新しい細胞を生み出したり、細胞に有用物質を生産させたりする学問分野のこと。


コアコンピタンス
企業の中核となる強み、競争優位の源泉のこと。

 

再生・細胞医療・遺伝子治療
怪我や病気で失われた体の細胞や遺伝子の機能を回復したり、がんなどの疾患を治療する次世代の医療のこと。


CDMO
Contract Development and Manufacturing Organizationの略で、再生医療等製品や医薬品の製造工程の開発から、治験薬や商業生産までを受託する機関や事業のこと。


創薬
病気の診断・治療・予防などに利用できる物質を新たに発見・開発し、医薬品として実用化すること。


モダリティ
低分子薬、抗体医薬、核酸医薬、細胞治療、遺伝子細胞治療、遺伝子治療といった治療手段の種別のこと。


再生医療等製品
人や動物の生きた細胞や組織を培養等の加工をして作成されたもので、体の構造・機能の再建・修復・形成や疾病の治療・予防、遺伝子治療を目的として使用される。金属などの材料でできた製品よりも人のからだに馴染みやすいなどの理由から、医薬品や医療機器のように用いることができる。

タカラバイオの事業

試薬・機器事業

大学や企業におけるライフサイエンス分野の活動を試薬・機器の提供を通じ支援しています。

研究用試薬では遺伝子や細胞を研究するために必要な試薬を約1万点取り揃えています。また、PCR装置や細胞解析装置などの機器、新型コロナウイルス検査用の体外診断用医薬品を扱っています。

CDMO事業

製薬企業などから医薬品の製法開発から製造までの工程を受託するCDMO事業に取り組んでいます。

CDMO事業では、「再生医療等製品関連受託」と「遺伝子解析・検査関連受託」の分野に注力しています。拠点となる遺伝子・細胞プロセッシングセンターでは、ベクターや遺伝子導入細胞の製造や品質試験の能力を増強しています。また、設備拡大と並行して、効率的な細胞拡大培養法、ベクター製造のスケールアップ技術の開発、製造工程の自動化などを進め、拡する製薬企業などのニーズへの対応を急いでいます。

遺伝子医療事業

当社独自の創薬基盤技術の事業化を進めています。

  • siTCR®技術を活用したNY-ESO-1・siTCR®遺伝子治療薬(TBI-1301)について日本での製造販売承認申請(準備中)
  • CAR遺伝子治療に利用可能なJAK/STAT技術、脳/網膜指向性遺伝子治療用ベクターCereAAV™および内耳指向性遺伝子治療用ベクターSonuAAV™ の応用化開発
  • 遺伝子治療薬の製造に使用されるレトロネクチン®などの製造補助剤の開発・製造・販売