タカラバイオ株式会社は、ウイルスの迅速検出や遺伝子発現解析などに適したプレミックスタイプのリアルタイムPCR試薬「One Step PrimeScriptTM III RT-qPCR Mix」(以下、本製品) (注1)2018123日より発売します。

 

 リアルタイムPCR法は、ウイルスや病原菌の検出、遺伝子組換え食品検査、遺伝病の解析、遺伝子発現解析などの幅広い分野で利用されています。本製品は、ウイルス遺伝子検出のために新規耐熱性逆転写酵素 (注2)PrimeScript III Reverse Transcriptase)を使用し、1ステップ(1工程)で簡便に操作が行えるプレミックスタイプの試薬で、従来品よりも、1) 操作性が向上、2) 阻害物質の影響を受けにくい、3)複数の遺伝子を同時に検出するマルチプレックス・リアルタイムPCR法に対応、などの特長があります。また、本製品の発売にあわせ、PCR時の課題である「キャリーオーバーコンタミネーション」 (注3)を防止する添加剤(UNG) (注4)を含む製品「One Step PrimeScriptTM III RT-qPCR Mix, with UNG」も同時に発売します。本製品の利用により、ウイルスの迅速検出などを、従来と比較してより簡便に確実に行えます。

 

 当社は、アカデミア向けの基礎研究用試薬の販売に加え、産業分野向けの新製品を積極的に開発・販売することを通じ、市場展開を図り、バイオ産業支援事業の拡大を目指しています。

【製品概要】

製品コード

製品名

容量

希望小売価格

(税別)

RR600A

One Step PrimeScriptTM III RT-qPCR Mix

200回

46,000円

RR601A

One Step PrimeScriptTM III RT-qPCR Mix, with UNG

200回

48,000円

詳しくは、下記ウェブサイトをご参照ください。

http://catalog.takara-bio.co.jp/product/basic_info.php?unitid=U100009388

 

【製品画像】

 

左:One Step PrimeScriptTM III RT-qPCR Mix 
右:One Step PrimeScriptTM III RT-qPCR Mix, with UNG
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左:One Step PrimeScriptTM III RT-qPCR Mix
右:One Step PrimeScriptTM III RT-qPCR Mix, with UNG

【製品に関するお問合せ先】

 

製品の詳細やご購入については、当社営業企画部製品担当(TEL: 077-565-6972)までお問い合わせください。

 

<参考資料>

【語句説明】

 

(注1) 1 ステップリアルタイムPCRプレミックス試薬

リアルタイムPCR法はPCR法で増幅したDNA産物の生成過程をリアルタイムで検出・解析する手法です。一部のウイルスは通常は2ステップ(逆転写反応とPCR反応の2工程)で検出・解析を行いますが、1 ステップリアルタイムPCR法では、反応に使用する試薬やプロトコルを工夫することで、1ステップ(1工程)で検出・解析を行います。プレミックス試薬は、各反応に必要なDNA合成酵素、バッファーや基質などを予めミックスした試薬です。

 

(注2) 逆転写酵素

レトロウイルスと呼ばれるウイルスより発見されたDNA合成酵素で、RNAを鋳型としてDNA合成を行ないます。現在、この酵素は、ウイルスや遺伝子などの生命科学の研究分野で必要不可欠な酵素となっています。

 

(注3) キャリーオーバーコンタミネーション

PCR法は非常に高感度な検出方法であるため、以前に行ったPCR産物のキャリーオーバーによる偽陽性が生じる場合があります。特に、食品・環境検査など同じPCR法を繰り返し行う場合にそのPCR産物(DNA)が実験器具や環境に残存し拡散する危険性があります。

 

(注4) Uracil - N - glycosylase (UNG)

PCR法の基質としてdTTPの代わりにdUTPを使用し、ウラシルを含むDNAを分解する酵素であるUNG(Uracil - N - glycosylase)を利用することで、PCR法におけるキャリーオーバーコンタミネーションによる偽陽性を防止することができます。

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970