タカラバイオ株式会社は、検便、血液、細胞等の検体からRNA抽出・精製の前処理を行わず、検体中の遺伝子を直接検出できる1ステップリアルタイムPCRプレミックス試薬「PrimeDirect™ Probe RT-qPCR Mix」(以下、本製品)_{(注1)}を本年4月25日より発売します。併せて、検査機関等を対象とする本製品を利用した遺伝子検査キットのカスタム製造の受注を開始します。

 

 リアルタイムPCRを用いた遺伝子検査は、ウイルスや病原菌検出、遺伝子組換え食品検査、遺伝病・がん遺伝子検査などの幅広い分野で利用されています。リアルタイムPCR検査は、一般に前処理として検体から専用キットによる核酸(DNA・RNA)の抽出と精製などの煩雑な作業を行なった後に行われますが、本製品は、前処理が不要で、直接、検体を検査試薬に添加して検査を行えます。また、本製品は反応阻害物質による影響を受けにくく、遺伝子検査の課題である「キャリーオーバーコンタミネーション」_{(注2)}の防止剤UNG_{(注3)}を添加した製品も揃えています。本製品の利用により、リアルタイムPCR検査をより短時間で簡便に、低コストで行えます。

 

 また、当社は、これまでに培ったノウハウと経験をもとに、本製品を用いた遺伝子検査キットをカスタムで製造し、最適なリアルタイムPCR検査をご提供します。

遺伝子検査キットの例

<用途>

<検出対象>

  • 臨床検査会社の新規・ルーチン検査
  • 食品製造会社の品質検査・工程管理
  • 診断薬企業のコンパニオン検査  ほか
  • ウイルス、細菌
  • 有害細菌、機能性細菌
  • 遺伝子、SNP

 当社は、遺伝子解析分野の基礎研究から産業応用まで、様々な用途に応じた新製品とサービスのラインアップを拡充し、バイオ産業支援事業のさらなる拡大を目指しています。

【製品概要

製品コード

製品名

容量

希望小売価格

(税別)

RR650A

PrimeDirect™ Probe RT-qPCR Mix

200

48,000

RR651A

PrimeDirect™ Probe RT-qPCR Mix, with UNG

200

50,000

【製品に関するお問い合わせ先

製品の詳細やご購入については、当社営業部営業企画担当(TEL:077-565-6972)までお問い合わせください

<参考資料>

【語句説明】

(注1) 1 ステップリアルタイムPCRプレミックス試薬

リアルタイムPCR検査はPCR法で増幅したDNA量をリアルタイムでモニタリングし解析する検査です。多くのウイルスの遺伝子検査では抽出RNAの逆転写反応とPCRによる増幅反応の2工程(2ステップ)で検査を行いますが、1ステップリアルタイムPCRでは、試薬や反応条件を工夫することで、逆転写反応からPCRを連続して行ない1ステップ(1工程)で検査を行います。これにより作業工程を減らし所要時間を短縮することが可能です。

また本試薬には、各反応に必要な酵素、バッファーや基質などが予め混合されています。

 

(注2) キャリーオーバーコンタミネーション

リアルタイムPCR検査は非常に高感度な検出方法であるため、別の検査の反応物質(DNAなどのPCR産物)のキャリーオーバーによる偽陽性が生じる場合があります。特に、食品・環境検査など同じリアルタイムPCR検査を繰り返し行う場合にそのPCR産物(DNA)が器具や環境に残存し拡散する危険性があります。

 

(注3) UNG

ウラシルを含むDNAを分解する酵素。PCRの基質としてdTTPの代わりにdUTPを使用し、UNG(Uracil - N - glycosylase)を用いてウラシルを含むDNAを分解することで、PCR法におけるキャリーオーバーコンタミネーションによる偽陽性を防止することができます。

 

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970