タカラバイオ株式会社とトヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ社)は、トヨタ社が保有するGRAS-Di®(Genotyping by Random Amplicon Sequencing-Direct)技術を用いた次世代シーケンス用試薬を共同で開発することに合意し、2025年10月27日付で共同開発契約を締結しました。今後、製品化に向けた開発を進めてまいります。

 

 次世代シーケンス(NGS~{(注1)})は、基礎研究から産業応用まで幅広く活用されており、近年ではグリーンバイオ(食料/植物分野)やブルーバイオ(海洋分野)で農作物や水産物などの育種にも利用が広がっています。育種では、交雑などの結果が得られるまでに長い時間が必要ですが、NGSを用いて遺伝子レベルで形質~{(注2)}を予測・選抜することにより、効率よく進めることが可能になります。しかし、そのためには、形質に関わる遺伝子領域の特定が必須であるものの、従来の手法では解析できる範囲が限られる、全体を解析できても手順が煩雑である、コストが高いなどの課題がありました。

 

 トヨタ社のGRAS-Di®は、目的生物のゲノムDNAを当社のPCR酵素を用いて偏りなく増幅することにより、ゲノムDNAを幅広く解析しながらもコストを抑えて簡便に実施することができる優れた技術です。当社は、本技術を用いた製品を開発し広く流通させることにより、農畜水産物の品種改良に貢献することを期待しています。本共同開発において、当社はGRAS-Di®技術の評価・製品化を担当し、トヨタ社は、GRAS-Di®技術の提供・製品評価を担当します。製品化後は、当社が国内外で販売する予定です。

 

 当社は、基礎研究から産業応用まで、幅広い用途に応じたバイオものづくりへ貢献し、今後もバイオ産業の一層の発展に貢献します。

 

 

 

注1: 最新の塩基配列解析法であり、数百から数億個の塩基配列データを並列に大量取得する方法を次世代シーケンスと言います。迅速かつ低コストでの塩基配列解析が可能となり、多くの遺伝子解析の場面で使用されるようになっています。次世代シーケンス法に基づく解析装置を次世代シーケンサーと言います。

 

注2: 生物の形や大きさ、色など遺伝的に決定される様々な性質や特徴のことを形質と言います。例えば農作物の育種の場合、病気への抵抗性や味、見た目などの形質に関わる遺伝子を次世代シーケンスなどの手法を用いて特定し、その遺伝子を持つ個体を選抜します。

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970

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