タカラバイオ株式会社は、超長鎖のDNAを増幅できるPCR酵素「PrimeSTAR® LongSeq DNA Polymerase」(以下、本試薬)を11月22日より新発売します。
微量のDNAを大量に増幅することができるPCR技術は、生命科学分野の基礎研究から遺伝子検査などの応用分野まで、幅広く活用されています。しかし、DNA鎖を合成する酵素(ポリメラーゼ)の性能がボトルネックとなり、増幅可能なDNAの長さには限界があります。
近年では、長鎖DNA (1万塩基対以上) を解析可能な、ロングリードシーケンサー~{(注1)}と呼ばれるタイプの次世代シーケンサー(NGS)が広く普及しつつあります。しかし、長鎖のDNAを調製するためには、既存のPCR酵素では性能が不充分なことがあり、長鎖DNAをより正確かつ大量に増幅できるPCR酵素の開発が望まれていました。
当社の独自技術を活用して開発した本試薬は、超長鎖(5万塩基対以上)のDNAの全長増幅が可能という特性を持ちます。これにより、微量の長鎖DNAからもロングリードシーケンサーの特性を十分に発揮した解析が可能です。
また、GC/ATリッチ~{(注2)}と呼ばれる、既存のPCR酵素では増幅が困難な領域の解析にも適しています。非常に高い特異性~{(注3)}を有することから、一度のPCR反応で、複数の異なる長鎖遺伝子領域の同時増幅にも使用できます。このことから、今後の遺伝子検査分野での応用も期待できます。
本試薬は、操作が簡便なオールインワンタイプです。
当社は、基礎研究から産業応用まで、幅広い用途に応じた遺伝子解析・検査分野の製品開発・提供を通じ、今後もバイオ産業の一層の発展を支援します。
(注1) ロングリードシーケンサー
1万塩基以上の読取長を有するロングリードシーケンサーは、複雑な新規ゲノム配列の決定に 広く活用されています。また、ゲノムの構造変異検出など、がん分野における研究にも有用ですが、多量のDNAを必要とする点が微量検体からの解析を進める上で課題となっています。
(注2) GC/ATリッチ
DNAを構成する塩基配列において、G、C、A、Tの4種の塩基のうち、GあるいはCが多く 含まれる領域はGCリッチ、AあるいはTが多く含まれる領域をATリッチと呼ばれます。一般的にGCリッチあるいはATリッチはPCRによる増幅が難しい領域とされています。
(注3) 特異性
PCRにおいて増幅の対象となる配列が複数含まれている場合に、目的の配列それぞれを忠実に増幅する性能のこと。同一検体中に含まれる複数領域を対象として並列に同時増幅を行う場合には、高い特異性を有するPCR酵素を使用することで、目的の配列それぞれを忠実に増幅することが可能となります。
【製品概要】 ※ 本製品は研究用試薬です
製品名 |
製品コード |
容量 |
希望小売価格(税別) |
---|
PrimeSTAR® LongSeq DNA Polymerase |
R055S |
40回 |
10,000円 |
同上 |
R055A |
200回 |
41,000円 |
同上 |
R055B(A×4) |
800回 |
121,000円 |
【製品画像】
PrimeSTAR® LongSeq DNA Polymerase
【製品情報サイト】
https://catalog.takara-bio.co.jp/product/basic_info.php?unitid=U100009746
【製品に関するお問い合わせ先】
テクニカルサポートライン
オンライン:https://www.takara-bio.co.jp/research/support/tsl/index.php
電話:077-565-6999(平日9時-17時)
この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970
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