タカラバイオ株式会社は、 米国臨床腫瘍学会 (本年6月2日~6月6日)において、日本国内で実施した滑膜肉腫を対象とするNY-ESO-1・siTCR~{®}遺伝子治療(TBI-1301; mipetresgene autoleucel)の治験結果を発表します。

【発表概要】

学会名

ASCO(American Society of Clinical Oncology)Annual Meeting 2023

場所

McCormick Place (米国イリノイ州シカゴ市)

発表日時

2023年6月3日午後1時15分~4時15分(現地時間)

演題番号・演題名

要旨

(492)

進行滑膜肉腫患者に対するNY-ESO-1 TCR遺伝子導入T細胞療法(TBI-1301, mipetresgene autoleucel)の第1/2相治験結果

 

(Results from phase I/II study of NY-ESO-1-specific TCR gene-transduced T cell therapy (TBI-1301, mipetresgene autoleucel) in patients with advanced synovial sarcoma.)

【目的】

滑膜肉腫は予後不良の悪性軟部肉腫の一種である。癌精巣抗原であるNY-ESO-1は滑膜肉腫患者の50-80%に発現する。本治験は、親和性を向上させたNY-ESO-1特異的TCR及び内在性TCRの発現を抑制するsiRNAを発現する、NY-ESO-1 siTCR®レトロウイルスベクターを用いた自家遺伝子改変T細胞(TBI-1301)の滑膜肉腫患者に対する安全性及び有効性の評価を目的に実施した。

 

【方法】

・本治験はオープンラベル第1/2相治験である。

・外科的切除が不能であり、かつアントラサイクリン系抗がん剤治療に抵抗性の進行又は再発滑膜肉腫患者のうち、HLA-A*02:01又はHLA-A*02:06陽性かつ腫瘍組織にNY-ESO-1抗原を発現している患者を対象とした。

・TBI-1301は、シクロホスファミド投与後に2日間、投与された。

 

【結果】

・8例の患者にTBI-1301が投与された。

・奏効率は50.0%、全生存率の中央値は650.0日であった。

・サイトカイン放出症候群(CRS)の発現率は50.0%であり、grade 1が1例、grade 2が3例であった。CRSを発現したすべての被験者が、事前に規定した治療により回復した。

 

【まとめ】

NY-ESO-1陽性腫瘍を標的とするTBI-1301による養子免疫療法は、進行/再発滑膜肉腫に対する有望な治療法になるであろう。

発表資料はこちら

*発表資料は後日当社ホームページ上で公開予定です

 当社は、TBI-1301の日本における製造販売承認申請の推進と、上市後の供給体制の構築に取り組んでいます。

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970

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