タカラバイオ株式会社は、操作性に優れたレンチウイルスベクター~{(注1、2)}作製試薬 「LVpro Packaging Mix with pLVpro Purシリーズ」 (以下、本製品)を、本日より販売します。

 

 レンチウイルスベクターは、末梢血リンパ球などに遺伝子を安定的に導入することができるため、体外遺伝子治療などに利用されています。また、新型コロナウイルスに対する抗体等の活性評価などの研究用にも広く利用されています~{(注3)}

 

 本製品により作製したレンチウイルスベクターは薬剤選択マーカー~{(注4)}を持つため、遺伝子導入が困難な細胞に対しても確実に導入細胞を得ることができます。また、遺伝子導入細胞の評価条件を、蛍光タンパク質を指標に迅速に設定することができます。

 本製品のウイルスベクターは、昨年9月に発売した臨床応用を想定したレンチウイルスベクター作製試薬~{(注5)}とベクターの基本構造が同じため、本製品で取得したデータも臨床研究に活用でき、両者を組み合わせて使用することで、研究のスピードアップが期待できます。

 

 当社は、今後も製薬企業やバイオベンチャーによる遺伝子治療薬の開発を積極的にサポートするため、多様な製品を発売していきます。

 

 

【本製品の特長】

  • 薬剤選択マーカーにより導入細胞の確実、迅速な作製が可能
  • 蛍光タンパク質を指標にした導入細胞の評価条件の最適化が可能
  • 導入する目的遺伝子に適した発現プロモーター(2種類)を選択可能

 

 

【製品概要】

製品名

製品コード

容量

希望小売価格(税別)

LVpro Packaging Mix(pLVpro-CMV-Pur Vector)

6973

1 Set

250,000円

LVpro Packaging Mix(pLVpro-EF1α-Pur Vector

6974

1 Set

250,000円

LVpro Packaging Mix(pLVpro-CMV-ZsGreen1-Pur Vector)

6975

1 Set

250,000円

LVpro Packaging Mix(pLVpro-EF1α-ZsGreen1-Pur Vector)

6976

1 Set

250,000円

 

 

【製品画像】

LVpro Packaging Mix(pLVpro-CMV-Pur Vector)(左)LVpro Packaging Mix (右)pLVpro-CMV-Pur Vector)

 

 

【製品のお問い合せ先】 

 

テクニカルサポートラインまでお問い合わせください。

オンライン: https://www.takara-bio.co.jp/research/support/tsl/index.php

電話: 077-565-6999(平日9時-17時)

 

【語句説明】 

 

(注1)ウイルスベクター

ウイルスが細胞などに感染した際に、自己の遺伝子を細胞などに導入する性質を利用して、人工的に目的遺伝子を導入するよう改良した分子です。病原性などに関する遺伝子を除去し安全性を確保しています。

 

(注2)レンチウイルスベクター

レンチウイルスは、一本鎖RNAをゲノムとするレトロウイルス科レンチウイルス亜科のウイルスで、ヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency Virus; HIV)、サル免疫不全ウイルス(Simian Immunodeficiency Virus; SIV)などがあげられます。レトロウイルスと同様、RNAゲノムから合成されたDNAが染色体に組み込まれますが、細胞分裂を行っていない静止期の細胞の染色体にも組み込むことができる点がレンチウイルスの大きな特徴です。遺伝子治療用レンチウイルスベクターとして、ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)を改変し、自己増殖能を奪ったものが広く用いられています。

 

(注3)2021年12月27日付 当社ニュースリリース 

新型コロナウイルス変異株に対応した研究用試薬の発売について

 

(注4)本製品で作製したレンチウイルスベクターは、薬剤選択マーカーとしてピューロマイシン耐性遺伝子を搭載しているため、抗生物質であるピューロマイシンによる薬剤選択が可能であり、目的遺伝子を導入した細胞のみを容易に調製することができます。

 

(注5)2021年9月7日付 当社ニュースリリース

臨床応用を想定し“安全性”を高めた研究用レンチウイルスベクター作製試薬を発売

 

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970