タカラバイオ株式会社は、遺伝子治療用製品、細胞加工製品、抗体医薬品の開発・製造を行う製薬企業やバイオ企業向けに、次世代シーケンサー~{(注1)}を用いたセルバンクの新たな品質試験サービス(以下、本サービス)を開始します。

 

 ウイルスベクターや抗体を製造する際には、これらを生産する細胞を作製するため、遺伝子を導入した細胞をストックし、原材料(セルバンク)として利用します。セルバンクの品質は、ウイルスベクターや抗体の安全性や機能に影響するため、完全性試験~{(注2)}と呼ばれる詳細な解析が行われます。しかしながら、従来の解析では、遺伝子導入の有無やおおよその導入数などの限定的な情報しか取得できませんでした。当社では、遺伝子解析分野における豊富な実績と最先端の技術を駆使した次世代シーケンサーPacBio Sequel II~{®}を用いる解析法を開発しました。

 

 本サービスでは、細胞株が持つ全ゲノムの詳細な解析(Whole Genome Sequence, WGS)~{(注3)}と、挿入部位に限定した詳細な解析(Amplicon-Seq)~{(注4)}の、2種類を提供します。WGSでは挿入された目的遺伝子の数や挿入配列変異の検出および挿入位置の検出が、Amplicon-Seqでは、挿入配列の変異検出が可能です。

 

<本サービスの特長>

  • 導入された遺伝子の変異の検出と同時に、ゲノム配列中に挿入された位置や挿入されたコピー数の検出が可能です。
  • 長いリード長を取得可能なPacBio~{®} Sequel IIを用いて、一塩基レベルの変異同定などの高精度な解析が可能です。
  • WGSとAmplicon-Seqの2種の手法を用いたサービスを展開し、目的・要望に沿った解析を提供します。

 

 当社は、遺伝子治療用製品、細胞加工製品、抗体医薬品に用いられるプラスミドベクター、ウイルスベクター、遺伝子導入細胞などの開発・製造およびそれらに伴う品質試験サービスを幅広く提供し、拡大する再生・細胞医療・遺伝子治療を強力にサポートしてまいります。

 

【本サービスの詳細】

https://catalog.takara-bio.co.jp/com/tech_info_detail.php?mode=3&masterid=M100007625

 

【お問い合わせウェブサイト】

https://www.takara-bio.co.jp/research/support/jutaku/index.php

 

 

 

【語句説明】

(注1) 次世代シーケンサー(NGS)

数億個の塩基配列データを並列に大量取得することができる塩基配列解読装置のことです。

大量の塩基配列データを解読できるため、ヒトゲノム解析や癌などの疾病の原因解明や診断など多目的に使用されています。

 

(注2) セルバンクの完全性試験

セルバンクの品質試験の一つで、使用の目的に適したものか、その整合性を試験する項目です。

 

(注3) Whole Genome Sequence

細胞の全ゲノムを包括的にNGSで解析する方法です。

 

(注4) Amplicon-Seq

PCRで増幅させた特定のゲノム領域を限定的にNGSで解析する方法です。

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970