タカラバイオ株式会社は、遺伝子治療の研究開発を行う製薬企業や大学等の研究機関向けに、当社が保有する遺伝子改変T細胞療法~{※}に用いられるsiTCR~{®}技術およびJAK/STAT技術をそれぞれ利用した受託製造サービス(本サービス)を、本日より開始します。

 

 siTCR~{®}技術は、T細胞の内在性T細胞受容体(TCR)の発現量を減少させ、目的とする治療用TCRの発現量を上昇させることができます。本技術は、現在、臨床開発中の遺伝子治療薬(開発コードTBI-1301)に使用されています。

 JAK/STAT技術は、JAK/STATシグナル伝達系を活性化させることで、T細胞の長期生存を可能にする技術です。当社では、本技術を用いた次世代型CAR遺伝子治療として、CD19・JAK/STAT・CAR(開発コード:TBI-2001)の臨床開発を進めています。

 

 このたび当社は、siTCR~{®}技術やJAK/STAT技術に興味を持つ製薬企業、大学、研究機関等が、自身の研究施設等においてこれらの技術を評価するために、任意のTCR遺伝子あるいはCAR遺伝子と、siTCR~{®}技術あるいはJAK/STAT技術を組み合わせたベクターを設計・構築の上、受託製造により提供します。

 

 当社は、siTCR~{®}技術やJAK/STAT技術などの遺伝子改変T細胞療法に利用できる創薬技術開発に引き続き注力し、開発した技術を幅広く提供することで、人々の健康に貢献してまいります。

 

遺伝子改変T細胞

がん抗原を認識するT細胞受容体(TCR)、あるいは、がん細胞を認識する抗体の標的抗原認識部分とリンパ球活性化分子との融合蛋白(キメラ抗原受容体:CAR)遺伝子を、Tリンパ球に導入し発現させ、高いがん抗原への特異性を持たせた人工リンパ球です。前者はTCR遺伝子改変T細胞(TCR-T)、後者はキメラ抗体受容体遺伝子改変T細胞(CAR-T)と呼ばれ、このような細胞を用いたがんの治療を遺伝子改変T細胞療法と呼び、新たながん治療として注目されています。

 

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970