タカラバイオ株式会社は、新型コロナウイルスの2種類の変異(E484KおよびE484Q変異)とその野生型(484E)_{(注1)}を一度のPCR反応で
同時に検出できる試薬「Primer/Probe E484K/E484Q (SARS-CoV-2)」(以下、本試薬)の受注を、本日6月21日より開始しました_{(注2)}。
本試薬は、N501Y、E484K、L452Rの3か所それぞれの変異に対応した試薬シリーズと同様、コアキット(PCR酵素ミックスと前処理試薬のセット)と組み合わせて使用することで、RNAを精製することなくダイレクトPCRが可能です。また、反応の確認のための陽性コントロールもあわせて発売します。
本試薬と既に発売した「Primer/Probe L452R (SARS-CoV-2) Ver.2」を併用することで、新型コロナウイルスのカッパ株、デルタ株、イプシロン株(WHOによる分類_{(注3)})などのL452R変異を持つ変異株をさらに細かく識別することができます。
本試薬は、既に発売した関連製品とともに、新型コロナウイルス変異の分子疫学的モニタリングに役立つものと考えられます。なお、今回発売する試薬に加え、デルタ株に特徴的な変異であるT478Kを特異的に検出する試薬の開発も完了しており、外部評価用試薬の提供を計画しています。
当社は、変異検出用試薬の販売に加え、次世代シーケンサーによる新型コロナウイルスゲノム配列解析サービスを行っており、今後も当社が保有するPCR技術、遺伝子工学技術を通して、新型コロナウイルス感染症対策に貢献してまいります。
(注1)新型コロナウイルスのスパイクタンパク質の484番目のアミノ酸が、野生型ではグルタミン酸(E)であるところ、リジン(K)に変異したもの(E484K変異)
およびグルタミン(Q)に変異したもの(E484Q変異)が報告されています。
(注2) 本試薬は研究用試薬です。体外診断用医薬品ではなく、保険適用されるものではありません。詳細は製品情報サイトをご参照ください。
出荷開始日は7月5日を予定しています。なお、本試薬は、群馬パース大学大学院 木村博一教授との共同研究を通じて製品化しました。
(注3) 2021年5月31日に、WHOよりギリシャ文字を使用した新たな呼称が提唱されました(https://www.who.int/en/activities/tracking-SARS-CoV-2-variants/)。
国立感染症研究所による分類では、デルタ株(B.1.617.2)は「懸念される変異株(Variant of Concern : VOC)」に、カッパ株(B.1.617.1)およびイプシロン株(B.1.429/B.1.427)は「注目すべき変異株(Variant of Interest : VOI)」に該当します(2021年6月14日時点)。
デルタ株、カッパ株はインドで初めて報告されたもので、インド株あるいはインド型とも呼ばれています。
【製品概要】
製品名 |
製品コード |
容量 |
希望小売価格 (税別) |
---|
Primer/Probe E484K/E484Q (SARS-CoV-2) |
RC349A |
100回 |
20,000円 |
Positive Control RNA Set (E484K/E484Q) |
RC374A |
各 20 µL |
35,000円 |
【製品画像】
【製品のお問い合せ先】
テクニカルサポートラインまでお問い合わせください。
オンライン: https://www.takara-bio.co.jp/research/support/tsl/index.php
電話: 077-565-6999(平日9時-17時)
この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970