タカラバイオ株式会社は、京都府立医科大学との共同研究で、ガゴメ昆布フコイダンに夏期の免疫低下を軽減する作用があることを、高年齢者を対象としたヒト試験において明らかにしました。この研究成果を、本年6月6日より大阪で開催される第14回日本抗加齢医学会総会にて発表します。

 

学会 第14回日本抗加齢医学会総会(平成26年6月6日~8日)
演題 夏期の高年齢者の免疫機能に対するガゴメ昆布フコイダン摂取の効果

 

当社はこれまでにガゴメ昆布フコイダンの機能性について研究を進め、ナチュラルキラー(NK)細胞の活性化やインターフェロン-ガンマ(IFN-γ)の産生促進を介した免疫活性化作用、インフルエンザ感染抑制作用などを明らかにしています。今回、ガゴメ昆布フコイダンの免疫機能に対する効果をさらに詳しく調べるためにヒト試験を行いました。


 

【試験概要】
 

試験期間 平成25年7月~8月
被験者 55歳から74歳までの高年齢者 30名
群設定 プラセボ群 15名
ガゴメ昆布フコイダン摂取群(摂取量200㎎/日・4週間) 15名
評価項目 免疫パラメーター(IFN-γなど9種類のサイトカイン)の産生能

安全性評価(血液学的検査、血液生化学的検査、尿検査、血圧脈拍、体組成)

 

試験結果 ガゴメ昆布フコイダン摂取により、免疫力の低下が軽減された

特に、IFN-γとインターロイキン-2の産生能が増加した

有害事象は発生せず、安全性において問題は生じなかった

 

当社は、ガゴメ昆布フコイダンやボタンボウフウイソサミジンなど、日本古来の食品素材にこだわって、その機能性を明らかにしてきました。今後もガゴメ昆布フコイダンを含む機能性食品素材について、さらに研究開発を進めてまいります。

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970

<参考資料>

 

【語句説明】

 

フコイダン

昆布、ワカメ、モズクなど、褐藻類の海藻のぬめり成分で、硫酸化されたフコースを構成成分とする多糖の総称です。ガゴメ昆布には乾燥重量の約5%と豊富にフコイダンが含まれています。当社は北海道の函館近海に生育するガゴメ昆布に注目し、1995年にフコイダンの化学構造を世界で初めて明らかにしました。その結果、ガゴメ昆布が他の海藻に見られないF-フコイダン、U-フコイダン、G-フコイダンを含むことを解明しています。

 

インターフェロン-ガンマ(IFN-γ)

ウイルスや腫瘍細胞に対してリンパ球が分泌する蛋白質の1種であり、NK細胞の増殖を促進する働きやNK細胞を活性化する働きが知られています。

 

インターロイキン-2

リンパ球が分泌する糖蛋白質で、サイトカインの1種。リンパ球を増殖させ、免疫を増強させる作用があります。

 

プラセボ

有効成分を含まない偽物の物質のこと。プラセボを用いても心理的効果などにより生理作用が生じる場合があります。そのため、試験対象物質を用いる群とプラセボを用いる群を比較する比較試験が試験対象物質の作用を確かめる方法として一般的に行われます。

 

サイトカイン

細胞から分泌され、生理活性を有する蛋白質の総称です。細胞間の情報伝達物質として働き、免疫、炎症などにおいて重要な役割を担っています。