タカラバイオ株式会社は、ノロウイルス検出用試薬を本年5月25日より発売いたしますので、お知らせいたします。
 
ノロウイルスは、感染性胃腸炎を引き起こすウイルスで、冬季を中心に流行する食中毒の主な原因です。食中毒を予防するために、厚生労働省は「大量調理施設衛生管理マニュアル」を通知しており、ノロウイルスの検便検査の方法として、リアルタイムPCR法が記載されています。本試薬は、同マニュアルに則り、リアルタイムPCR法でノロウイルスの検出ができる、初めての検査試薬となります。また、厚生労働省通知「ノロウイルスの検出法について」に記載されているプライマー・プローブの配列を、本試薬のノロウイルス遺伝子の検出に採用しています。本試薬は、簡便で短時間に検出できることから、ノロウイルス検査を実施する検査会社などで幅広く利用されることが見込まれます。
 
当社は、PCRの応用分野(アプライドフィールド)における新製品開発に注力しており、成長が見込まれる産業分野へ製品展開し、バイオ産業支援事業の売上拡大を目指します。
 

【製品概要】

 

製品名 容量 製品コード 希望小売価格
(税別)
TaKaRaノロウイルスGI/GII検出キット 100反応 RR255A 128,000円

製品の詳細やご購入については、当社営業部営業企画担当(TEL:077-543-7231)までお問い合わせください。

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970

<参考資料>

 

【語句説明】

 

ノロウイルス

感染性胃腸炎を引き起こすウイルスの一種で、感染した人の糞便や嘔吐物、あるいはそれらが乾燥したものから出る塵埃を吸い込み感染します。また、カキなどの貝類にも含まれており、それら食品を介しても感染します。感染すると、1~2日の潜伏期間後に、主に嘔吐、下痢、腹痛、発熱(37~38℃)を引き起こします。
ノロウイルスはGenogroup I~Vの5つの遺伝子群に分類され、ヒトはGenogroup I(GI)とII(GII)に感染することが示唆されている。

 

大量調理施設衛生管理マニュアル

厚生労働省は、大規模食中毒の発生を未然に防止するために、「大量調理施設衛生管理マニュアル」(平成9年3月24日衛食第85号別添(最終改正:平成25年10月22日付け食安発1022第10号)を通知として示しています。本マニュアルは、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)の概念に基づいており、調理過程における重要管理事項が示されています。

 

ノロウイルスの検出法について

厚生労働省は、「ノロウイルスの検出法について」(食安監発第1105001号)(最終改定平成25年10月22日付け食安監発1022第1号)を通知し、ノロウイルスの検出法を定めています。リアルタイムPCR法による検出法も検出法の一つに記載されています。

 

リアルタイムPCR法

PCRでのDNA増幅産物の生成過程をリアルタイム(実時間)で検出し、解析を行う方法です。DNA増幅産物の生成の過程を連続して観察できるため、より正確な定量ができます。また電気泳動を行う必要がないため、解析時間の大幅な短縮が可能となります。