タカラバイオ株式会社は、再生医療研究に適した、iPS細胞用培地「Cellartis® DEF-CS™ 500 Xeno-Free Culture Medium」を、本日より、全世界で販売開始いたします。
 
iPS細胞などの幹細胞研究は基礎から創薬、さらには、再生医療分野への応用へと拡大しています。iPS細胞の利用にはiPS細胞を維持、培養する工程が必須です。特に、再生医療研究においては、より安全性の高い条件で安定してiPS細胞を維持、培養することが求められています。
 
このようなニーズに応えるべく、当製品は、当社施設で製造した本製品を今般発売いたします。本製品は、次の様な特徴を有しております。
 
●動物およびヒト由来の成分を含まず、また、フィーダー細胞と呼ばれるマウスの細胞と共培養する必要がない。このため、これらの成分に起因する感染リスクを低く抑えて安全に培養できる。
●単一細胞(シングルセル)での継代が可能なため、作業が容易で再現性のよい培養が可能。
●iPS細胞に必要な、自己複製能と未分化状態を長期間維持できる。
●製品のロット毎の性能差が少なく、高品質。
 
また、当社は、本製品の技術を活用した、iPS細胞用培地のGMP/GCTPグレード製品を当社施設にて製造し、近日中に発売する予定です。
 
当社グループは、近年ニーズが高まっている幹細胞分野の新製品・サービスの開発に注力し、「Cellartis®」ブランドである幹細胞関連製品のラインナップを拡充し、業績拡大を目指します。

 

【製品概要】

 

製品名 容量 製品コード 希望小売価格
(税別)
Cellartis® DEF-CS™ 500 Xeno-Free Culture Medium 500ml Y30040 80,000円

本製品詳細については、Cellartis®製品のホームページ( http://www.takara-bio.co.jp/research.htm)、評価用サンプル、カスタム製品等については当社営業部(TEL:077-543-7231)までお問い合わせください。

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970

<参考資料>

 

【語句説明】

 

iPS細胞

体細胞に、数種類の遺伝子を導入することなどによって分化多能性が誘導された細胞のことです。2006年に京都大学山中伸弥教授らのグループにより、この現象が発見され人工多能性幹細胞(induced Pluripotent Stem Cells :iPS細胞)と名付けられました。iPS細胞は、ES細胞とほぼ同等の分化多能性を示すことから、薬剤開発、種々の疾患の病態解明や再生医療への応用が期待されています。

 

幹細胞

他の種類の細胞へ分化できる能力と分裂増殖を経ても未分化な細胞を維持できる自己複製能を有する細胞のことをいいます。中でも多種類の細胞へ分化することができる幹細胞を多能性幹細胞といい、再生医療への応用が期待されているES細胞やiPS細胞などが含まれます。

 

フィーダー細胞

細胞培養の際に補助的に加えて共培養することで、目的の細胞の培養環境を整える働きがあります。この補助的に加える細胞のことをフィーダー細胞と呼びます。

 

GMP

Good Manufacturing Practiceの略で、医薬品を製造する際に遵守すべき「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準」を指します。GMPは、安全で品質が担保された医薬品を供給するため、医薬品の製造時の管理、遵守事項を各国の規制当局が定めたものです。

 

GCTP

Good Gene, Cellular, and Tissue-based Products Manufacturing Practiceの略で、「再生医療等製品の製造所における製造管理及び品質管理の基準」を指します。