タカラバイオ株式会社は、本年1月より当社グループに加わったRubicon Genomics, Inc. (以下、「Rubicon社」)が開発した次世代シーケンス用試薬を、本日より日本国内で販売いたします。
 
 Rubicon社の製品は、超微量のDNAサンプルから高精度な次世代シーケンス解析前処理(ライブラリー作製)を可能とする、「ThruPLEXsup{®}テクノロジー」・「PicoPLEXsup{®}テクノロジー」と呼ばれる技術をベースに作製されています。
 
 「ThruPLEXテクノロジー」は、血漿に含まれるセルフリー核酸などの超微量DNAサンプルから多様性の高いライブラリーを作製し、低頻度のDNA変異を高精度に検出することが可能であり、幅広いアプリケーションに対応しています。「PicoPLEXテクノロジー」は、1細胞(シングルセル)などの超微量DNAから再現性の高いライブラリーを作製することが可能であり、コピー数多型や染色体異数性の解析に利用できます。
 
 当社はシングルセル解析や次世代シーケンス解析などに注力しており、新製品や新サービスの提供を通じて、本分野でのさらなる事業拡大を目指します。

製品コード

製品名

希望小売価格(税別)

R400523

ThruPLEXsup{®} DNA-seq kit 6S(12)Kit

93,000円

R400584

ThruPLEXsup{®} Tag-seq kit 6S(12)Kit

123,000円

R30050

PicoPLEXsup{®} WGA Kit

200,000円

【超微量核酸(DNA)解析のスキーム】

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970

<参考資料>

【語句説明】

次世代シーケンサー

従来のサンガー法を基にしたシーケンスとは異なる原理に基づいた塩基配列解析法で、数百から数億個の塩基配列データを並列に大量取得する塩基配列解析方法です。次世代シーケンスにより、人の全遺伝子、全ゲノムの塩基配列解析が可能となりました。

 

ライブラリー

次世代シーケンサーでDNAの塩基配列を読むためには、DNAの両末端に特定塩基配列(アダプター)を付加する必要があります。このアダプターが付加されたDNAをライブラリーと呼び、次世代シーケンサー解析ではこのライブラリーの質が解析結果に大きく影響されるため、ライブラリー作製は非常に重要な工程です。

 

セルフリー核酸

血液や尿などに存在する核酸をいい、例えば、がん細胞が免疫細胞により破壊される、もしくは自ら死滅する等で核酸が血中などに放出され、このセルフリー核酸を解析することによりがんの早期発見に繋がるなど、がん研究分野で研究が盛んです。

 

シングルセル解析

細胞集団の平均的な解析ではなく、1細胞レベルでゲノム配列やRNA配列解析を行うことです。シングルセル解析には、細胞を1つ1つ分離する技術と、1つの細胞に由来する極微量の遺伝子を解析できる超高感度遺伝子解析技術が要求されます。iPS細胞に代表される再生医療用細胞の品質評価や発がんメカニズムの解明等にシングルセル解析が用いられます。

 

コピー数多型

ヒトの遺伝子は父方・母方の遺伝子をそれぞれ1組ずつ、あわせて2組受け継ぎますが、個人によってはこれが、1組のみである場合や3組以上存在する場合があり、このことをコピー数多型と言います。コピー数多型は、薬剤の効果や副作用の個人差などに関係すると考えられています。

 

染色体異数性

一部の染色体の数が本来持つ染色体数よりも多い、もしくは少ない染色体数を持つ状態のことをいいます。