2017年

2017/09/20

日本癌学会学術総会にてsiTCR遺伝子治療(医師主導治験)の中間結果を発表

 タカラバイオ株式会社は、がんを対象としたsiTCR遺伝子治療の臨床開発を三重大学のグループなどと共同で進めています。このたび、三重大学などが実施しているsiTCR遺伝子治療の第I相臨床試験(医師主導治験)の中間報告が、第76回日本癌学会学術総会(本年9月29日~30日・パシフィコ横浜)にて発表されますのでお知らせします。
 

【発表概要】

学会名
(開催場所)
第76回日本癌学会学術総会
(パシフィコ横浜)
発表1 【発表日時】9月29日(金)9:00~11:30 シンポジウム
Two clinical trials of adoptive transfer of TCR-engineered Tcells specific to MAGE-A4 and NY-ESO-1
(MAGE-A4 及びNY-ESO-1 抗原特異的TCR 遺伝子改変T 細胞輸注療法の臨床試験)
発表2 【発表日時】9月30日(土)16:00~17:30 ポスター発表
Clinical response and cytokine release syndrome following adoptive transfer of NY-ESO-1 specific TCR-engineered T cells NY-ESO-1
(NY-ESO-1抗原特異的TCR遺伝子改変T細胞輸注後の臨床反応とサイトカイン放出症候群)
発表要旨 ● 固形癌を対象としたsiTCR遺伝子治療の第Ⅰ相臨床試験経過を報告する。
● 体内リンパ球減少処置後に遺伝子導入細胞を輸注し、安全性・細胞体内動態・臨床効果を評価した。
● NY-ESO-1・siTCR遺伝子導入T細胞輸注後、遺伝子導入細胞に起因する腫瘍縮小・サイトカイン放出症候群(CRS)発症が一部の症例で観察された。

 当社は本年1月より、滑膜肉腫患者を対象としたsiTCR遺伝子治療(NY-ESO-1・siTCR遺伝子治療;開発コード:TBI-1301)の第I/II相臨床試験(企業治験)を日本国内で実施しています。本企業治験では、上述の医師主導治験の結果を有効活用し、早期の商業化を目指しています。
 

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970

 
 

当資料取り扱い上の注意点

資料中の当社による現在の計画、見通し、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の業績に関する見通しであり、これらは現時点において入手可能な情報から得られた当社経営陣の判断に基づくものですが、重大なリスクや不確実性を含んでいる情報から得られた多くの仮定および考えに基づきなされたものであります。実際の業績は、さまざまな要素によりこれら予測とは大きく異なる結果となり得ることをご承知おきください。実際の業績に影響を与える要素には、経済情勢、特に消費動向、為替レートの変動、法律・行政制度の変化、競合会社の価格・製品戦略による圧力、当社の既存製品および新製品の販売力の低下、生産中断、当社の知的所有権に対する侵害、急速な技術革新、重大な訴訟における不利な判決等がありますが、業績に影響を与える要素はこれらに限定されるものではありません。

 

<参考資料>

【語句説明】

TCR(T細胞受容体)

Tリンパ球(T細胞)に発現する糖タンパク質で、Tリンパ球が抗原を認識する際に作用します。腫瘍抗原を含む抗原をTCRが認識することにより、Tリンパ球が活性化されます。

siTCR遺伝子治療

癌患者から採取したリンパ球に、癌細胞を特異的に認識するTCR遺伝子を体外で導入し、培養によって増殖させた後に輸注により患者に戻す治療をTCR遺伝子治療といい、Engineered T cell Therapy(遺伝子改変T細胞療法)の一種です。TCR遺伝子が導入されたリンパ球が、患者の体内において、癌細胞を特異的に認識して攻撃し、消滅させることにより、癌を治療します。siTCRベクター技術を用いたTCR遺伝子治療をsiTCR遺伝子治療と呼んでいます。ターゲットとする癌抗原に合わせたTCR遺伝子を選択することにより、siTCR遺伝子治療は様々な癌種への適用が可能となります。

siTCRベクター技術

内在性のTCRの発現をRNA干渉により抑制し、目的とするTCRを発現するTリンパ球がより多く得られる技術で、TCR遺伝子治療の副作用のリスクの低減、有効性の向上につながると考えられます。

MAGE-A4

癌抗原の一つで、食道癌、頭頸部癌、卵巣癌、悪性黒色腫などで発現が確認されています。

NY-ESO-1

癌抗原の一つで、滑膜肉腫、悪性黒色腫、食道癌、卵巣癌、多発性骨髄腫、頭頸部癌などで発現が確認されています。

サイトカイン放出症候群(CRS)

医薬品などの静脈投与中あるいはその直後に、血中に免疫細胞から放出されるサイトカインと呼ばれる炎症性因子群によって引き起こされる症状のこと。悪寒、悪心、倦怠感、頭痛、発熱、頻脈、血圧上昇などの種々の症状が挙げられます。

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