2017年

2017/01/30

腫瘍溶解性ウイルスHF10の国内第Ⅱ相臨床試験治験計画書提出のお知らせ

 タカラバイオ株式会社は、悪性黒色腫を対象とした腫瘍溶解性ウイルスHF10(開発コード:TBI-1401)によるがん治療の第II相臨床試験を日本国内で実施するため、本日、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に再生医療等製品としての治験計画届を提出しましたのでお知らせいたします。
 
 本試験では、根治切除不能又は転移性悪性黒色腫を対象とし、HF10とイピリムマブを併用投与した際の有効性、安全性、免疫学的検査等の評価を行います。また、本試験では、当社遺伝子・細胞プロセッシングセンターにて製造したHF10製剤(治験製品)を使用します。
 
 今後、PMDAによる治験計画届の受理後、試験実施施設の治験審査委員会による審査を経て、被験者登録・投与を開始いたします。
 
 当社は、米国において本試験と同様の試験プロトコールである第II相臨床試験、および国内第I相臨床試験を実施しており、これまで腫瘍縮小効果や安全性において良好な結果を得ております。当社は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(医薬品医療機器等法)において再生医療等製品に適用される制度(条件及び期限付承認制度)などを活用してHF10によるがん治療の早期承認を目指し、日本国内で平成30年度に商業化することを目標としています。
 
 

【本試験の概要】

治験課題名 根治切除不能又は転移性悪性黒色腫患者(ステージIIIB、IIIC及びIV)を対象としたTBI-1401(HF10)とイピリムマブとの併用療法の第II相試験
対象患者 根治切除不能又は転移性悪性黒色腫
主要評価項目 irRCに基づく最良総合効果率(BORR:Best overall response rate)(24週目)
目標症例数 25例
試験期間(予定) 平成29年4月~平成30年6月(主要評価データ取得)
実施施設(予定) 国立がん研究センター中央病院他、全12施設

 
 

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 事業開発部

Tel 077-565-6970

 

当資料取り扱い上の注意点

資料中の当社による現在の計画、見通し、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の業績に関する見通しであり、これらは現時点において入手可能な情報から得られた当社経営陣の判断に基づくものですが、重大なリスクや不確実性を含んでいる情報から得られた多くの仮定および考えに基づきなされたものであります。実際の業績は、さまざまな要素によりこれら予測とは大きく異なる結果となり得ることをご承知おきください。実際の業績に影響を与える要素には、経済情勢、特に消費動向、為替レートの変動、法律・行政制度の変化、競合会社の価格・製品戦略による圧力、当社の既存製品および新製品の販売力の低下、生産中断、当社の知的所有権に対する侵害、急速な技術革新、重大な訴訟における不利な判決等がありますが、業績に影響を与える要素はこれらに限定されるものではありません。

 

<参考資料>

【語句説明】

腫瘍溶解性ウイルス

腫瘍溶解性ウイルスとは、正常な細胞内ではほとんど増殖せず、がん細胞内において特異的に増殖するウイルス(制限増殖型ウイルス)です。増殖によって直接的にがん細胞を破壊し、さらにその際に放出されたウイルスが周囲のがん細胞に感染すること、また、破壊されたがん細胞の断片ががんに対する宿主の免疫を活性化することで、投与部位以外のがんも縮小することが期待されます。単純ヘルペスウイルス1型のほか、アデノウイルス、ワクシニアウイルス、レオウイルス等から作られた腫瘍溶解性ウイルスの開発が行われています。
 

HF10

HF10は単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)の弱毒化株で、がん局所に注入することによって顕著な抗腫瘍作用を示します。このようなウイルスは腫瘍溶解性ウイルス(oncolytic virus)と呼ばれています。また、平成28年12月に大塚製薬株式会社とHF10に関する独占的ライセンス契約を締結しました。
 

単純ヘルペスウイルス1型

単純ヘルペスウイルス1型は、唇にできる口唇ヘルペス(口内炎)や、眼の角膜にできるびらん(単純ヘルペス角膜炎)などの原因となります。感染しても、多くの場合は症状をあらわすことなく体内に潜んでいますが、ストレス・過労・病気などの要因で体力が低下すると症状をあらわします。アシクロビルをはじめとした抗ウイルス剤が治療薬として有効です。
 

悪性黒色腫

悪性度が非常に高い、皮膚に発生するがんの一種で、メラノーマとも呼ばれています。皮膚の色と関係するメラニン色素を産生する皮膚の細胞をメラノサイトと呼び、悪性黒色腫はこのメラノサイトあるいは母斑細胞(ほくろの細胞)が悪性化した腫瘍と考えられています。
 

イピリムマブ

がん細胞を攻撃する細胞傷害性T細胞(CTL)は、がん細胞を認識して攻撃する一方、過剰な免疫応答への抑制機能をもち、抗腫瘍活性を示さない場合があります。イピリムマブはCTLが持つCTLA-4という分子に結合し、この抑制機能を解除することで抗腫瘍活性を増強する医薬品(免疫チェックポイント阻害剤)です。
 

irRC(Immune-Related Response Criteria)

がん免疫療法における治療開始後の腫瘍の進行や新病変の出現を考慮した新たな効果判定基準です。
 
 

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