2008
2008.5.8
PCR法により、迅速にカンピロバクターを検出・同定する試薬を発売
タカラバイオ株式会社(社長:加藤 郁之進)は、PCR法を用いて、カンピロバクター属菌の3菌種を特異的かつ迅速に検出・同定する試薬「Campylobacter (cdt gene) PCR Detection and Typing Kit」を5月20日より発売します。本製品は、当社が、扶桑薬品工業株式会社及び公立大学法人大阪府立大学よりライセンスを受け、全世界で独占的に製造販売します。
カンピロバクターが原因である食中毒の発生件数は近年増加の傾向にあり、主要な食中毒原因菌の一つとして注目されています。カンピロバクターが引き起こす主たる症状は腸炎ですが、その原因菌の約90%がCampylobacter jejuni(以下C. jejuni)であり、数%がCampylobacter coli(以下C. coli)と言われています。また、敗血症や髄膜炎などの検査材料からはCampylobacter fetus(以下C. fetus)が分離されており、これらの症状の原因菌の一つと考えられています。このように菌種によって症状が異なることから、菌の検出と合わせて菌種の同定も非常に重要とされています。現在、カンピロバクターの検出・同定は培養法によって行われていますが、前培養で最低2日かかり、さらに数日間の菌種同定培養試験が必要なため、カンピロバクターの確実な菌種同定には1週間程度かかり、PCR法等の遺伝子検出技術を応用した迅速な検出・同定法が待ち望まれていました。
本試薬はPCR法を使用し、細胞膨化致死毒遺伝子(Cytolethal distending toxin gene;略称cdt gene)のcdtB gene, cdtC geneを標的遺伝子としてC. jejuni、C. coli、C. fetusの3菌種を迅速に検出・同定する世界初の試薬です。本試薬を使用すれば菌種同定培養試験を行うことなく、食品や環境由来の検体から前培養後、PCR法によるDNAの増幅によって約3時間で検出・同定までを行うことができます。
弊社では既に食品・環境分野向けの製品として、ベロ毒素タイピングPCR試薬などを発売しており、さらに同定試薬のラインアップを充実させることで、食中毒の予防と対策に貢献できるものと期待しています。
<製品概要>
| 製品名 | : | Campylobacter (cdt gene) PCR Detection and Typing Kit |
| 製品コード | : | RR134A |
| 容量 | : | 100回(50検体) |
| 価格 | : | 89,250円(税込) |
製品の詳細やご購入については、当社営業部企画担当(TEL:077-543-7231)にお問い合わせください。
この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 バイオインダストリー部
Tel 077-543-7212
当資料取り扱い上の注意点
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<参考資料>
【語句説明】
PCR法Polymerase Chain Reaction 法(ポリメラーゼ連鎖反応法)の略称です。温度サイクル装置(サーマルサイクラー)を使用し、微量のDNAを数時間のうちに数百万倍にまで増幅する技術です。
カンピロバクター(Campylobacter )属菌
カンピロバクターは、家畜の流産あるいは腸炎原因菌として獣医学分野で注目されていた菌で、現在では、ヒトに対する下痢原性が証明されています。
本菌に汚染された食品、飲料水の摂取や、動物との接触によってヒトに感染します。100個程度と比較的少ない菌量を摂取することにより感染が成立することが知られています。
細胞膨化致死毒素(Cytolethal distending toxin)
1987年に下痢症患者から分離された大腸菌から見出された毒素であり、細胞を膨化させ、最終的に細胞死を引き起こすという毒素活性を持ちます。
現在では、この毒素をコードする遺伝子(cdt gene)は、大腸菌以外の細菌でも認められており、中でも、カンピロバクター属菌は、その保有率が非常に高いことが知られています。
ベロ毒素
腸管出血性大腸菌が産生する毒素で、腸炎や溶血性尿毒症症候群などの合併症を引き起こします。この毒素が身体の中で様々な障害を起こすことによって、全身性の重篤な症状を出すものと考えられています。










