2005
2005.7.1
タカラバイオ、米国BD社からクロンテック事業を買収
タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)と、BD(Becton, Dickinson and Company、米国ニュージャージー州フランクリンレイクス、社長:Edward Ludwig、以下「BD社」)とは、クロンテック・ラボラトリーズ社(Clontech Laboratories, Inc.、米国カリフォルニア州マウンテンビュー、従業員約190名)を中心とするBD社の「クロンテック事業」を、当社が6,000万米ドル(約66億円)で買収することに関する契約書に7月1日付けで調印致しました。日本を始め欧米でのいわゆる「独占禁止法」上の許可取得など所定の手続は本年8月までに完了すると見込まれ、その後、当社が米国に設立予定の100%子会社を通じてBD社クロンテック事業を買収する予定です。
BD社クロンテック事業は、1984年に米国カリフォルニア州パロアルトに設立されたクロンテック・ラボラトリーズ社が起源であり、BD社はクロンテック・ラボラトリーズ社を1999年に買収しました。クロンテック製品は、分子生物学分野を中心としたバイオ研究用試薬の老舗ブランドとして、確固たる地位を築いており、遺伝子の発見や調節、機能解析等を行うためのツールとして世界で広く使われております。全世界におけるクロンテック事業の2004年の売上は約60億円です。
当社は、1979年に制限酵素を発売して以来、PCR関連製品を日本で最初に導入してバイオ研究者に提供するなど、遺伝子工学研究分野における事業を推進し、現在はコアビジネスと位置づけるに至っています。2004年度の遺伝子工学研究分野の売上実績(連結)は約118億円です。
当社は、今般の買収により以下の効果を期待できると考えています。
- 研究用試薬のラインナップの拡充
クロンテック製品は、蛍光タンパク質を用いた遺伝子機能解析システム、タンパク質相互作用解析システムやタンパク質生産のための発現ベクター等の優れた製品をラインナップしています。一方当社は、制限酵素等の遺伝子工学研究用酵素、PCRなどの遺伝子増幅関連製品等、遺伝子工学研究分野に強みをもっています。つまり、クロンテック製品と当社製品は相互に補完的であり、両製品の融合は、バイオ研究者にとって、非常に魅力ある製品群となると考えています。
- 遺伝子工学研究分野における海外売上高の拡大
BD社クロンテック事業の売上高約60億円(2004年)うち、2/3以上が欧米における売上である一方、当社の遺伝子工学研究分野の売上高(連結)のうち、85%程度が日本における売上です。今般の買収により、クロンテック製品のみならず当社製品も含めた、欧米を中心とした海外での研究用試薬の販売強化ができると考えています。
- 研究用試薬開発の強化及び効率化
当社は日本を中心に研究用試薬の開発を進めており、BD社クロンテック事業は米国において製品開発を行っています。今後は、日米での製品開発の分担や効率化を行うことで、研究用試薬の製品開発力を強化し、グローバルマーケットにおいて、確固たる地位を築いて行きたいと考えています。
今般のクロンテック事業の買収により、平成17年5月13日の平成17年3月期決算の発表時に公表した平成18年3月期の業績予想を以下のとおり修正いたします。
- 平成18年3月期連結業績予想値の修正(平成17年4月1日〜平成18年3月31日)(百万円未満切捨)
売上高 経常利益 当期純利益 前回発表予想(1) 百万円
15,950百万円
50百万円
0今回修正予想(2) 17,500 50 0 増減額(2−1) 1,550 0 0 増減率(%) 9.7 0 0 (ご参考)
前期実績(平成17年3月期)13,685 △1,042 △1,282 - 平成18年3月期単体通期業績予想値(平成17年4月1日〜平成18年3月31日)
平成18年3月期単体通期業績予想値につきましては、平成17年5月13日に公表した数値から変更はありません。
なお、平成17年9月中間期業績予想値につきましては、連結・単体ともに、平成17年5月13日に公表した数値から変更はありません。
この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 バイオインダストリー部
Tel 077-543-7212
当資料取り扱い上の注意点
資料中の当社の現在の計画、見通し、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の業績に関する見通しであり、これらは現時点において入手可能な情報から得られた当社経営陣の判断に基づくものですが、重大なリスクや不確実性を含んでいる情報から得られた多くの仮定および考えに基づきなされたものであります。実際の業績は、さまざまな要素によりこれら予測とは大きく異なる結果となり得ることをご承知おきください。実際の業績に影響を与える要素には、経済情勢、特に消費動向、為替レートの変動、法律・行政制度の変化、競合会社の価格・製品戦略による圧力、当社の既存製品および新製品の販売力の低下、生産中断、当社の知的所有権に対する侵害、急速な技術革新、重大な訴訟における不利な判決等がありますが、業績に影響を与える要素はこれらに限定されるものではありません。
<参考資料>
【BD社の概要】
| 社 名 | : | Becton, Dickinson and Company ベクトン・ディッキンソン アンド カンパニー |
| 所在地 | : | 1 Becton Drive, Franklin Lakes, New Jersey 07417-1880, U.S.A. |
| 代表者 | : | Edward Ludwig (Chairman, President and CEO) |
| 設 立 | : | 1897年 |
| 資本金 | : | 363,804,000米ドル(約400億円、2004年9月30日現在) |
| 主要株主 | : | Barclays Bank PLC(11.2%、2005年3月31日現在) |
| 従業員数 | : | 25,000人(2004年9月30日現在) |
| 売上高 | : | 4,934百万ドル(約5,400億円、2004年度) |
| 事業内容 | : | 注射器、血糖測定器などの医療機器、診断薬、細胞分離解析装置等の製造販売 |
【BD社クロンテック事業の概要】
| 売上高 | : | 60,513千米ドル(2003年10月1日〜2004年9月30日) |
| 経常利益 | : | 333千米ドル(2003年10月1日〜2004年9月30日) |
| 資産合計 | : | 29,143千米ドル(2005年5月31日現在) |
| 負債合計 | : | 8,346千米ドル(2005年5月31日現在) |
【語句説明】
制限酵素DNA鎖の、特定の塩基配列を認識して切断する酵素です。遺伝子工学研究には必須の酵素で、数百種類もの制限酵素が分離精製されています。
PCR
Polymerase Chain Reaction法(ポリメラーゼ連鎖反応法)の略称です。温度サイクル装置(サーマルサイクラー)を使用し、微量のDNAを数時間のうちに数百万倍にまで増幅する技術です。










