CAR

概要

CAR(キメラ抗原受容体)遺伝子治療は、TCR遺伝子治療と同じ遺伝子改変Tリンパ球療法の一種です。TCR遺伝子治療とは、遺伝子改変Tリンパ球ががん細胞を特異的に認識する受容体の構造が異なります。CAR(キメラ抗原受容体)は、抗原を特異的に認識する抗体由来の部分と、TCR由来の細胞傷害性機能部分を結合させて人工的に作製された、がん抗原を特異的に認識できる受容体です。本治療においては、CAR遺伝子をTリンパ球に遺伝子導入する際に、当社のレトロネクチン®が使用されます。

⇒レトロネクチン®についてはリンクをご参照下さい。
http://catalog.takara-bio.co.jp/product/basic_info.php?unitid=U100002954

現在、世界各地で、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)などのB細胞性腫瘍に対する新規治療法として、CD19抗原を認識するCARを発現させたTリンパ球を体外で培養して、患者に投与するCD19 CAR-T細胞療法の開発が盛んに進められています。 当社でも、国内で成人ALLを対象としたCD19 CAR遺伝子治療の臨床試験を開始しており、早期の商業化を目指しています。また、自治医科大学と、悪性リンパ腫の一種であるNHLを対象とした臨床研究も推進しています。

作用機序

がん抗原特異的CAR遺伝子導入Tリンパ球は、TCR遺伝子導入細胞と同様に以下のような作用機序によりがん細胞に対して傷害作用を示し、がんの縮小などの抗腫瘍効果を引き起こします。

  1. Tリンパ球に導入されたCAR遺伝子により、Tリンパ球の細胞表面上にがん抗原特異的CARが発現されます。
  2. 発現されたCAR分子は、標的がん細胞の抗原(CD19抗原)を認識します。その後、遺伝子導入Tリンパ球内に活性化シグナルが伝達され、細胞傷害性分子の放出等により、患者体内のがん細胞に対する細胞傷害活性を発揮します。


関連情報
■文献
  • 大嶺謙 急性リンパ球性白血病に対するCD19特異的キメラ抗原受容体を用いた遺伝子治療 血液フロンティア. 2014, 4, 98-104
■学会等発表
学会 演題
第21回日本遺伝子細胞治療学会学術集会 2015年7月24日〜26日 大阪 Best CAR design based on the analysis if ligand-independent activation of CD19-CAR T cells. (⇒発表資料はこちら
American Society of Gene & Cell Therapy 18th Annual Meeting 2015年5月13日〜16日 米国・ニューオーリンズ Detail analysis of non-specific activation of CD19 CAR-T cell caused by CD19 CAR design for effective and safe CAR-T cell immunotherapy. (⇒発表資料はこちら

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