当社の遺伝子工学研究事業は、大学の基礎研究から創薬研究などの産業分野まで、世界中のバイオテクノロジー研究を支援しています。1979年に国産初の制限酵素を発売して以降、新たな遺伝子工学技術を利用した研究用試薬、理化学機器、受託サービスを次々と生み出しています。

研究用試薬

研究風景

リアルタイムPCR装置

クロンテック社製品
研究用試薬・理化学機器
バイオテクノロジーの研究開発は、大学などの公的機関、製薬会社などの民間企業において、遺伝子の機能解析、生物の分子レベルでの生命現象や疾患のメカニズムの解明など、さまざまなテーマで進められていますが、こうした全世界でのバイオテクノロジーの研究活動を支援するのが、当社の遺伝子工学研究事業の役割です。
当社は、1988年に米国企業からPolymerase Chain Reaction(PCR)法による遺伝子増幅システムを国内で初めて導入販売し、さらに1993年にPCR法に関するライセンスを受け、当社グループでPCR関連製品の製造・販売を始めました。PCR法は、生体試料に含まれる微量の遺伝子を増幅させるために利用される、バイオテクノロジー研究の必須技術の一つです。当社は、前処理不要で生体サンプルから直接反応可能なPCR酵素、遺伝子のクローニングや遺伝子発現解析用に伸長性に優れた逆転写酵素やリアルタイムPCR装置など、市場のニーズにマッチした製品を開発し、提供しています。近年、PCR法を応用してDNAの
定量を行う実験手法であるリアルタイムPCR法の市場が成長してきています。当社は、リアルタイムPCRを成長分野の一つと捉え、新製品を積極的に投入し続けており、順調に売上を伸ばしています。
当社は、2005年9月に米国のクロンテック・ラボラトリーズ社(クロンテック社)を買収しました。当社は、遺伝子工学研究用酵素やPCR関連技術などの遺伝子工学分野に強みを持ち、クロンテック社は、蛍光タンパク質を用いた遺伝子機能解析システムなどの細胞生物学分野に強みを持ちます。当社製品とクロンテック社製品の統合により、当社グループは幅広い研究用試薬の製品ラインナップを揃えています。
製造については、1993年に研究用試薬の製造工場として設立した、中国の宝生物工程(大連)有限公司を中心に、研究用試薬の大半を中国で製造しており、高いコスト競争力を維持しています。買収時は米国で行われていたクロンテック社製品の製造についても、中国に移管することによって、利益率が大きく改善されました。
販売については、子会社である米国のクロンテック社や仏国のタカラバイオヨーロッパ社を通じ、欧米の先進諸国への販売を行うと同時に、新興国における販売拡大にも力を入れています。中国においては、宝生物工程(大連)有限公司を中心に研究用試薬等の販売を行っており、大きな売上の伸びが続いています。また、インドに研究用試薬の製造販売子会社として設立したタカラバイオDSSインド株式会社は、2011年6月より事業を開始しており、インド市場における販売を本格化していきます。
研究開発においては、当社、クロンテック社及び宝生物工程(大連)有限公司で研究開発を効率よく分担しながら、当社が得意としている遺伝子工学分野に加え、今後市場の拡大が見込まれる細胞生物学分野(Advanced Cell Biology)に注力をしています。遺伝子工学分野においては、PCR技術の産業用途への拡大や成長市場であるリアルタイムPCR関連の新製品開発などを行い、売上拡大を目指しています。細胞生物学分野においては、研究が活発化している人工多能性幹細胞(iPS細胞)やエピジェネティクス関連などの新製品・新サービスの開発を進めています。
当社及びクロンテック社で開発した製品群を、宝生物工程(大連)有限公司で製造し、日本だけでなく、米国、欧州、中国、韓国、インドの子会社を通じて全世界に販売することで、グローバルマーケットにおける地位をさらに高めていきたいと考えています。

高速シーケンサー
研究受託サービス
当社は、実験や研究を大学や企業から有償で請け負う研究受託サービス事業を展開しています。2000年にはアジア最大規模のゲノム解析センターを立ち上げ、大型のゲノム解析受託を行ってきました。現在当社では、研究受託サービスの拠点であるドラゴンジェノミクスセンターを中心に、ゲノムの配列解析、DNAチップを用いた遺伝子発現解析、small RNA解析やタンパク質発現などの総合的な研究受託体制を整えるとともに、次世代シーケンシング技術を利用した高速シーケンス解析やiPS細胞受託作製サービスなどの先端的技術サービスを提供しています。
研究手法として普及が進んでいる高速シーケンス解析においては、エピジェネティクス解析やメタゲノム解析などの幅広いアプリケーションに対応する体制を整えています。また、情報処理のためのバイオインフォマティクス技術にも力を入れており、得られた膨大なデータから有用な情報を引き出す次世代データマイニングなどの高付加価値サービスを提供しています。
当社は、今後もバイオ研究を取り巻く急激な技術革新に迅速に対応し、新しいサービスの提供を続けていきます。












