遺伝子医療事業

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 タカラバイオは、以下の遺伝子治療の臨床開発を推進しています。

Oncolytic Virus (腫瘍溶解性ウイルス)
HF10プロジェクト

 HF10は単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)の弱毒化株で、がん局所に注入することによって顕著な抗腫瘍作用を示します。また、がん細胞に対する免疫が増強することから、HF10を投与していない箇所での抗腫瘍効果が期待されます。このようなウイルスはOncolytic Virus(腫瘍溶解性ウイルス)と呼ばれています。
 腫瘍溶解性ウイルスは、正常組織に過度の損傷を与えることなく、腫瘍組織内で選択的に増殖し、腫瘍組織を破壊します。多くの腫瘍溶解性ウイルスは遺伝子の組換えや外来遺伝子の挿入を行っていますが、HF10は遺伝子工学的改変を一切行っていない自然変異型のウイルスです。
 米国では、固形癌を対象とした第T相臨床試験が終了し、現在、メラノーマ(悪性黒色腫)を対象とした第U相臨床試験をハンツマン癌研究所などで実施しています。
 国内では、メラノーマ(悪性黒色腫)や扁平上皮癌などの固形癌を対象とした第T相臨床試験を国立がん研究センター中央病院で実施しており、2017年1月にはメラノーマを対象とした第U相の治験届を提出しています。
 各国の早期承認制度などを活用し、2018年度の商業化を目指しています。

Engineered T-cell Therapy(分子標的T細胞療法)

遺伝子導入細胞の製造
遺伝子導入細胞の製造

1. siTCR遺伝子治療プロジェクト

 TCR遺伝子治療は、がん抗原を認識できるTCR遺伝子を導入した自己リンパ球を患者に戻し、このリンパ球ががん細胞を特異的に認識して攻撃し、がん細胞を消滅させるという治療法です。当社の独自技術、siTCRベクター技術を用いたTCR遺伝子治療をsiTCR遺伝子治療と呼んでいます。siTCRベクター技術は、内在性のTCRの関与を抑え、目的のTCRを発現するリンパ球をより多く得ることができる技術です。これにより、副作用のリスクの低減、有効性の向上につながると考えられます。
 当社は、国内で、三重大学と共同でsiTCR遺伝子治療の臨床開発を進めています。2014年3月には、食道癌などの固形癌を対象にしたMAGE-A4・siTCR遺伝子治療の第T相臨床試験(医師主導治験)が開始されました。本臨床試験は、がん免疫遺伝子治療の国内初の試みです。また、2015年4月には、滑膜肉腫などの固形癌を対象としたNY-ESO-1・siTCR遺伝子治療の第T相臨床試験(医師主導治験)が開始されました。両臨床試験には、当社と三重大学が共同で開発したsiTCRベクターが使用されています。
 また、これらの成果を生かし、2017年1月にはNY-ESO-1・siTCR遺伝子治療の国内第T/U相の治験届をPMDAに提出しました。
 再生医療等製品の条件および期限付承認制度などの早期承認制度を活用し、2021年度の商業化を目指しています。

細胞培養
細胞培養

2. CAR遺伝子治療プロジェクト

 CAR(Chimeric Antigen Receptor:キメラ抗原受容体)は、あるがん抗原を特異的に認識する抗体由来の部分と、T細胞受容体由来の細胞障害性機能部分を結合させて作製された、がん抗原を特異的に認識できる受容体です。CAR遺伝子治療は、CAR遺伝子を導入した自己リンパ球を患者に戻し、このリンパ球ががん細胞を特異的に認識して攻撃し、がん細胞を消滅させるという治療法です。
 当社と自治医科大学は、悪性リンパ腫の一種である非ホジキンリンパ腫を対象としたCD19抗原特異的CAR遺伝子治療(CD19・CAR遺伝子治療)の臨床研究を行っています。本臨床研究では、当社が開発したレトロネクチン®遺伝子導入法が用いられ、非ホジキンリンパ腫患者の末梢血から、効率よく、高品質のCAR遺伝子導入細胞を調製できると考えられます。
 当社は、B細胞性造血器悪性腫瘍を対象としたCD19・CAR遺伝子治療の臨床試験の治験届を2017年1月に提出しています。

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