遺伝子医療事業

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がんなどの疾患を対象とし、腫瘍溶解性ウイルスCanerpaturev(C-REV)や、独自技術である高効率遺伝子導入技術レトロネクチン®法、高効率リンパ球増殖技術であるレトロネクチン®拡大培養法、siTCR®技術を使用したEngineered T Cell Therapy(遺伝子改変T細胞療法)などの遺伝子治療法の開発を進めています。

Oncolytic Virus (腫瘍溶解性ウイルス)
HF10プロジェクト:Canerpaturev(略称:C-REV)

 Canerpaturev(C-REV)は単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)の弱毒化株で、がん局所に注入することによって顕著な抗腫瘍作用を示します。また、Canerpaturev(C-REV)の投与により、がん細胞に対する免疫が増強することから、Canerpaturev(C-REV)を投与していない腫瘍部位での抗腫瘍効果が期待されます。このようなウイルスはOncolytic Virus(腫瘍溶解性ウイルス)と呼ばれ、正常組織に過度の損傷を与えることなく、腫瘍組織内で選択的に増殖し、腫瘍組織を破壊します。
 当社では、メラノーマを対象とした臨床試験を国立がん研究センター中央病院などで実施し、日本国内での承認申請を目指しています。米国ではメラノーマを対象とした医師主導治験がハンツマン癌研究所で進行中です。
 また、国内では膵がんを対象とした臨床試験を推進しています。2016 年12 月には大塚製薬株式会社と日本国内におけるCanerpaturev(C-REV)に関する共同開発・独占販売契約を締結、今後もCanerpaturev(C-REV)のさらなる臨床開発を進めていきます。

Engineered T-Cell Therapy(遺伝子改変T細胞療法)

遺伝子導入細胞の製造

1. siTCR®遺伝子治療

 TCR(T細胞受容体)遺伝子治療は、がん患者から採取した自己リンパ球に、がん抗原を認識できるTCR遺伝子を導入・増殖した後に、再び患者に戻します。この遺伝子導入リンパ球は、がん細胞を特異的に認識して攻撃し、がん細胞を消滅させる性質があり、これを利用して治療を行います。
 当社では、独自技術であるsiTCR®ベクター技術を用いたsiTCR®遺伝子治療を開発しており、siTCR®ベクター技術が副作用のリスクの低減、有効性の向上につながると考えられます。
 臨床開発では、滑膜肉腫を対象としたNY-ESO-1・siTCR®遺伝子治療の国内第T/U臨床試験を進めています。
 当社は、2018 年4 月に大塚製薬株式会社と日本国内における共同開発・独占販売契約を締結しました。両者で共同し、治療薬の早期の製造販売承認に向けた開発を進めています。

2. CAR遺伝子治療

 CAR(キメラ抗原受容体)は、がん抗原を特異的に認識する抗体由来の部分と、T細胞受容体由来の細胞傷害性機能部分を人工的に結合して作製された受容体です。CAR遺伝子治療は、CAR 遺伝子を導入した自己リンパ球を患者に戻し、このリンパ球ががん細胞を特異的に認識して攻撃し、がん細胞を消滅させるという治療法です。
 国内では、成人急性リンパ芽球性白血病を対象としたCD19・CAR遺伝子治療の臨床試験を進めており、NY-ESO-1・siTCR®遺伝子治療プロジェクトと同様、提携先の大塚製薬株式会社と共同で、未充足な医療ニーズに取り組みます。

レトロネクチン®

 遺伝子医療の一種であるEngineered T Cell Therapy(遺伝子改変T細胞療法)では、患者のリンパ球などの細胞を取り出して、体外で細胞に治療用の遺伝子を導入し、再び患者に投与します。この治療法では、当社が開発した高効率で遺伝子を導入するレトロネクチン®法や、効率よくリンパ球を拡大培養できるレトロネクチン®拡大培養法が使用されます。これらの技術は、遺伝子治療のスタンダードとなっており、遺伝子治療の商業化を目指す多くの企業・団体にライセンスされています。今後も、Engineered T Cell Therapyの臨床開発を進める企業・団体に対して、レトロネクチン®の提供および技術導出を促進し、売上拡大に努めていきます。

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