お知らせ

●第75回日本癌学会にてテクニカルセミナーを行いました。

テーマ:高純度/高活性のNK細胞加工技術と応用例
開催日:2016年10月7日(金) 13:00〜14:00
場 所:パシフィコ横浜 展示ホールA・B ポスター・展示会場内 テクニカルセミナー会場

演題1 ナチュラルキラー細胞培養技術
演者 出野 美津子
タカラバイオ株式会社 CDMセンター

演題2 抗体医薬品のエフェクター機能評価のための培養NK細胞を用いた新規ADCCアッセイの開発
演者 山田 将士 先生
武田薬品工業株式会社 ファーマシューティカル・サイエンス バイオロジクス・ニューモダリティー・デベロップメント
抗体医薬品の開発において、有効性と安全性を保証するために作用機序を反映させたバイオアッセイ開発が規制当局により要求される。抗体医薬品のFc領域は、抗体医薬品の主な作用機序である抗体依存的細胞傷害活性(ADCC)などのエフェクター機能に関与している。
よって、抗体医薬品の開発において、Fcエフェクター機能を正確に評価することが重要である。
これまでのADCCアッセイはヒト末梢血からNK細胞を調製する必要があり、実験操作が煩雑で長時間を要し、また末梢血のドナー間差が問題となる。

これらの問題を解決するために、我々は高純度・高活性NK細胞の大量培養技術を有するタカラバイオ株式会社の技術を用いて、新規ADCCアッセイの開発を行った。
ヒト末梢血を培養することにより、98.6%の純度と97.7%の生存率を有するNK細胞を1×109細胞まで拡大することができた。
このNK細胞を用いて、新規ADCCアッセイの開発を行った。
今回、自社開発品を用いて新規ADCCアッセイを評価し、高い真度と精度を有するデータが得られたので報告する。

演題3 次世代型NOGマウス(NOG hIL-2 Tg、NOG hIL-15 Tg)及びヒト培養NK細胞を用いたin vivo ADCC活性による抗腫瘍効果評価法の確立
演者 西銘 千代子 先生
公益財団法人 実験動物中央研究所 試験事業部 次世代NOGマウス実用化プロジェクト
抗体医薬品の開発において、POC (Proof of Concept)として、担がんマウス体内の「マウスの免疫エフェクター細胞」と「医薬品候補抗体」のADCC活性を介した抗腫瘍効果を評価することがある。医薬品候補抗体開発が次の段階に進み「マウスのエフェクター細胞」が「ヒトの免疫エフェクター細胞」に代わった際、抗腫瘍効果を確認してもPOCと同様の効果が十分に得られないことがある。このことが抗体医薬品の開発において問題となっている。

IL-2及びIL-15を介した情報伝達はNK細胞の増殖や活性化に必須である。公益財団法人実験動物中央研究所(以下、実中研)では、NK細胞を分化・増殖・維持させるためNOG hIL-2 Tgマウス及びNOG hIL-15 Tgマウスを開発した。これらマウス体内では、培養されたヒトNK細胞(タカラバイオ株式会社製)が長期間に渡り維持されることが確認できた。そのため、これらのマウスを用いることで「ヒトの免疫エフェクター細胞」と「医薬品候補抗体」のADCC活性を介した抗腫瘍効果の評価が可能になると考えられた。このことを証明するため、NOG hIL-2 TgマウスまたはNOG hIL-15 Tgマウスの側腹皮下にHER2陽性がん細胞を移植し腫瘍を形成させた上でヒトNK細胞及びトラスツズマブ(ハーセプチン)を投与しADCC活性による抗腫瘍効果を確認した。結果、著明な抗腫瘍効果が認められADCC活性による抗腫瘍効果をin vivoで評価する上で本モデルが極めて有用であること示唆された。

本テクニカルセミナーではこれまでに得られた結果を報告し、本モデルを利用して実中研で取り組んでいる共同研究・受託試験について紹介する。

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